「まつもと整形外科」ではトリガーポイント注射での治療を行っています。トリガーポイント注射(トリガーポイントブロックとも呼びます)は外来診療で行われる一見簡単な手技ですが、その効果は時として非常に有効なことがあります。主に筋・筋膜性の痛みに効果を発揮します。
トリガーポイントって何?
トリガーポイントとは、腰や肩などに強く痛みを感じる点のことを言います。急性の筋肉の障害(ぎっくり腰など)や、筋肉の反復性の運動・ストレス(使いすぎ)により、筋肉内に硬いしこりのような部分(緊張帯)ができます。その部分がトリガーポイント(特に強く痛みを感じる点)と考えられます。
トリガーポイントは、その周辺や、少し離れた場所に関連痛(放散する痛み)を発生させることがあります。トリガーポイントによる肩や背中、腰の痛みが数カ月続いている状態を筋筋膜性疼痛症候群といいます。
トリガーポイント注射の施術
肩や背中、腰などのトリガーポイント(圧痛点:押すと強く痛む部分)に局所麻酔剤を注射します。
このトリガーポイント注射療法は、疾病原因を直接治療するものではありませんが、繰り返し注射することで痛みを除去する効果が期待できます。
注射というと“痛い”“怖い”というイメージがあるかも知れませんが、この注射はとても細い針を使いますし、注射の深さも1㎝程度ですので、ほとんどの患者さんは痛みを感じる間もなく治療が終わってしまいます。また、個人差はありますが、1回目の注射で「痛みが半分になった」という声をよく聞きます。痛みの改善がみられればその後は、1週間に1回のペースでトリガーポイント注射を行います。何回か注射するうちに徐々に痛みが治まってくることも少なくありません。肩凝りや腰痛で辛い思いをしている方はトリガーポイント注射を検討してみてはいかがでしょうか。
トリガーポイント注射が有効な症状
筋・筋膜性疼痛症候群の諸症状、すなわち肩、肩甲骨部のこりと痛み、首の痛み、頭痛、眼の奥の痛みなどの一連の痛みに対して、トリガーポイント注射は第一選択の治療法と言えます。また、筋・筋膜性疼痛症候群はその他の部位でも、筋膜性背部痛、筋膜性腰痛症、などの症状もよく見られますが、それらにもトリガーポイント注射が効きます。
また、顎関節症、線維筋痛症などにも適応があります。さらに頚椎、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、むち打ち症、寝違え、複合性局所疼痛症候群などで筋肉、筋膜からの痛みが生じている場合も効果が期待できます。